物凄い快感だった。
千枝の口内に、ペニスがドクドクと大量に精子を撒き散らしている。
ペニスを噛みつかれた痛みと、放精の快感が合わさり、今までに経験したことのない気持ちヨさだった…
射精が収まると千枝は噛みついた顎の力を弛め、まだビクビク脈打つペニスを根本までくわえ込み、その柔らかな唇を、ペニス内部の精液の残滓を絞り出すように吸い込みつつ亀頭の先端へ移動させた。
チュポッ…
淫らな糸を引きながら、ペニスから唇が離れた。
射精の余韻を残しつつも、俺のペニスは、その熱、その大きさ、その硬さを徐々に失っていった。
「もー…はひふひ(出しすぎ)~…」
千枝は、俺を睨み付けながら、ベッド脇に置いてあったティッシュを取り、その上に、口にたっぷりと溜め込んだ精子をダラァ~ッと吐き出した。
それは、一度の射精とは思えない程の量だった。
「しかも苦いし…
木下クン、溜まってたんだね。
最近オナニーとかしてなかったんじゃない?」
「はぁ…まぁ…」
俺は、一度射精が済み、冷静さが戻ったのか、千枝に恥ずかしい指摘を受けても、先ほどのように興奮するコトもなく、どちらかと言うと気まずい思いで返事をした。
「でも、酷いよね…
結局、自分だけ気持ちよくなっちゃって…
フツー、あんなキスしてたら、おっぱいくらい触るでしょ?」
「あっ…すいません…」
謝るのも何か変だが、考えてみれば、確かに俺は、千枝にされるがままで、キスをした以外、千枝に対しては愛撫のような行為を一切行なっていなかった…
「まさかあんなに早く…
しかも手だけでイッちゃいそうになるんだもん…
ショージキ期待外れ。
ドMなのは、仕方ないケド、早漏はなんとかしなよ」
この期に及んで、千枝はまだ俺を責め立てた。
「だいたいアタシが慰めてもらいたかったのに…」
「なんか…すんません…」
「“すんません”じゃないよ。
アタシ、どうしたらイイのよ…
不完全燃焼じゃん」
千枝は、俺をイカせた満足感はさほどでもなく、自分が中途半端に盛り上げさせられた事が不満らしい…
「ねー木下。
もー一回勃たせなよ」
「えっ!?
ちょっと、すぐには…」
「若いんだから、ダイジョブでしょ!?
ホラ、おっぱいサービスで見せたげるから、今度は自分でシゴいてよ」
千枝はそう言うと、着ていた黒いTシャツと、その下に着けていた赤いブラジャーを捲り上げ、両方の乳房を俺に見せた。
推定Cカップほどの柔らかい膨らみに、ほんの少し濃い茶色の若干大きめな乳輪と少し勃起した乳首がバランスよく配置された、綺麗なおっぱいだった。
俺はイカせてくれたお返しはしなくてはならないと思い、まだ出しっ放しのペニスに右手を伸ばし、そのおっぱいを眺めながら、ペニスを愛撫しようとした。
♪~♪~♪~♪~…
不意に、ケータイの着信音が鳴り響いた。
千枝の表情が、瞬時に青醒める。
「新井からだ…」
千枝は呟き、俺に絶対に声を出さないように命令して、通話ボタンを押した。
「もしもし…ナニ?」
『あ~、千枝ぇ?
今、もー家なんだろぉ~?」
新井の能天気な声が漏れて来た。
「そう…だけど、ナニよ…」
『今、一人?…だよねぇ?』
「あ…当たり前でしょ」
『だよなぁ。
いやさっき、ベロベロに酔っ払って、木下に送らせたって聞いたからよぉぉ。
どしたかなぁーって思って』
「酔いは醒めたし、木下もすぐ帰ったわよ!」
『ふぅ~ん…
じゃ、今から行くわ』
「えっ!?
何言ってんの?
ダメよ」
『はぁあ?
何で?
イーじゃんイーじゃん。
俺、ヤリてーんだわ』
「ちょっ…
ナニ言ってんの!?
言っとくケド、アタシ、怒ってんだからね!!」
『えぇ~?
何で?
千枝ちゃ~ん、何で怒ってんのぉ?
俺、何かしたっけぇ?』
「“何かした?”じゃないわよ!
アンタ今まで何処に居たのよ!?」
『えぇ~…何処だってイーじゃん。
とにかく行くから、鍵開けとけよ~』
「だからダメだって!!」
『でも、もーすぐ着くからよ~
とりあえず会って話そーぜぇ。
んじゃねぇい…』
「ちょっ、待っ…」ガチャ!
ツー…ツー…ツー…ツー…
千枝は、さっきよりも更に青醒めた顔で俺を見た。
「ヤバいよ…
新井が来るって…
ちょっ!!
いつまでチンコ握ってんのよ!!」
「あっ…
そっ…そー言う先輩だって、胸丸出しじゃないですか!!」
「あっ…
とっ…とにかく、新井が来るから、帰って。
見つかったら、絶対にヤバいから」
「わ、分かりました。
帰ります…
ありがとうございました」
「何のお礼よ…
とにかく、今日の事は、ぜったいに誰にも言わないでね!!
もし新井の耳に入ったら、アタシよりもアンタの方がヤバいと思うから」
もとより、こんな恥ずかしい体験を他人に話すつもりなどなかった。
「もちろん、誰にも言いません。
それじゃ、失礼します!!」
と言い、玄関に行き、靴を履こうとすると、マンションの廊下をヘタな鼻唄混じりに歩いてくる靴音が聞こえた。
まぎれもなく新井だった…
「ヤバい…もう来た…」
このまま玄関から出たら、鉢合わせしてしまう…
「ちょっ…木下!!」
千枝が小声で叫ぶように呼び掛けた。
「靴を持って、とりあえずベランダに出てて」
千枝の部屋は一応1階ではあったが、地面より少し高い位置にあったので、普通にモルタル製の囲いのあるベランダがあった。
「アタシが話して引き付けとくから、隙見てベランダから逃げて」
その指示に従い、ベランダに出ようとしたら…
ガチャガチャ…
玄関のドアノブを回す音が…